格差をマスキングしない自然で公平な教育を考える2

安藤寿康(慶應義塾大学文学部 教授)

未来研究トーク2018 (第3回)開催のご案内

■日時:2019年1月18日(金)19:00-21:00 *終了後懇親会
■場所:Einstein @カクタスオフィス (水道橋駅より徒歩5分)
東京都千代田区三崎町2-4-1 TUG-I ビル 4F
■テーマ:格差をマスキングしない自然で公平な教育を考える2
■話題提供者:
安藤寿康(慶應義塾大学文学部 教授)
■会費 3,000円(懇親会費込・懇親会に参加しない方は1,000円)
■連絡先:嶋田一義(未来研究トーク実行委員会 事務局長)
miraikenkyu@googlegroups.com

 今回は、前回(第2回)に話題提供をいただいた慶応義塾大学・安藤さんの話題に引き続き取り組みます。前回参加していない方でも大丈夫です。
 前回の議論では、安藤さんから、学力に影響を及ぼす要因のうち少なくとも50%が遺伝によることが学術的に裏付けられていることをお話しいただき、人間の知能と遺伝の関係性を学びました。
 教育を「社会的行為としての教育」即ち、「今ある社会問題を解決できる知識を、解決できる人に分配していくこと」の範疇に絞った上で、「今ある社会問題を解決するための知識」とはどのようなものかを議論しました。これは、現在の教育が「その知識を配分する手段として適切か」を議論するための前段階の議論でしたが、知識の配分の適切な手段まで議論が進みませんでした。
 前回のメンバーが話し合いを通じて出した「今ある社会問題を解決するための知識」は、下記のようなカテゴリのものでした(詳細は別添参照)。
決断力/学習能力/論理的/洞察力/挑戦的/自律的/共感的/協調的/我慢強い/楽観的/コミュニケーション能力/好奇心/才能
 これは知識ではなく、能力や性格に見えます(深く考えると、能力と性格は同じ次元のことかもしれません)。少なくとも、未来研究トークに参加する方々の仕事の現場では、問題を解決するために必要なことを考えた際に提案されたものに、科学等の知識が含まれなかったことは注目に値します。
 この成果をもとに、「格差をマスキングしない自然で公平な教育」とはどのようなものか、本題に取り組みたいと思います。まず現状認識として、私たちが家庭環境や学校等での教育ですりこまれてきた「必要な」能力を挙げてみます。人に迷惑をかけない、うそをつかない等でしょうか。そして、前回挙げた能力との一致点や相違点を検討します。私たちが「必要」と考えている能力のうち、遺伝や共有環境の影響を受けやすいものはどれでしょうか。それを前提としたときに、自然で公平な教育とは、どの能力をどのように育むものなのでしょうか。一緒に考えてみましょう。
 みなさん、ご自身の家庭環境や学校での生活ですりこまれてきた「必要な」能力を思い出してきて下さい。

18:30 受付開始 (Einstein @カクタスオフィス)
19:00 集合(時間がタイトなので、時間厳守して下さい)
19:00-19:05 イントロダクション
    ・ゲストのご紹介/目的・議論の方法の共有
19:05-19:35 前回の議論の振り返りと意見交換
19:35-20:40 グループディスカッション
  「家庭環境や学校での生活でしつけられてきた“必要な”能力」(15分)
  「自然で公平な教育とは、どの能力をどのように育むものか」(50分)
20:40-21:00 成果のシェア
21:00 安藤さんから一言
21:00-22:00 懇親会

■今年度の開催予定
第1回 7月2日(月)19:00
第2回 9月3日(月)19:00
第3回 1月18日(金)19:00
第4回 未定
詳細は、下記URLをご参照ください!
https://miraikenkyu.wordpress.com

(備考)
今年の未来研究トークも、様々な話題を集め、様々な角度から掘り下げます。課題の設定に重心を置くワークショップで、課題を捕まえるコツをみんなで追求しましょう。
話題提供者に今まで考えたことのない意見に接する機会を作り、参加者全員が他分野に入り込んで独自の視点から考える訓練をするという設計は従来通りです。